観察も練習
これはひとりアドベントカレンダー「日記ぽい」14日目の記事です。観察!

一昨日取り上げた「日記力 『日記』を書く生活のすすめ」(阿久悠)と、昨日みた『日記の練習』(くどうれいん)はいずれも、日記を書くことによって世界の見え方が違ってくる、という趣旨のことが書かれていた。阿久悠は「観察する目が養われる」といい、くどうれいんは「生活の中で(あ、これは日記だ)と思う瞬間がくるようになる」といっている。
これで思い出したのが『観察の練習』(菅俊一)だ。文庫サイズの上製本で触り心地が良い。
観察とは、日常にある違和感に、気づくこと。(p.2)
これがこの本での観察の定義だ。本文では見開きの左ページに写真があり、キャプションはない。この時の右ページには、1-1などの章番号-節番号だけが書かれている。ページをめくると、見開きでこの写真についての違和感についての文章が書かれている。読者はページをめくって著者の違和感を読む前に、自分でも写真を眺めて考えるチャンスがある構成だ。
例えば、1-1は、歩道の写真だ。右側に段差の上(玄関だろうか)に置かれた植木鉢が見切れていて、それに水やりをしたと思われる水が歩道に流れている。これをさらに文章で細かく説明しようとすると、その中に観察された結果(=違和感)が出てくるだろう。
この書籍を買って最初に読んだあと、しばらく私は「観察の練習」をしてみたことを思い出していた。この意味の「観察」を意識すると、書いていて楽しい日記になりそうに思う。