System 76のLinuxラップトップ、Lemur Proを購入した。

購入

Linuxが使える軽いラップトップはないものかと検索していて、これを見つけた。良さそうだけれども、日本からは買えないだろうと思ったら日本向けの発送をしていることに気づき、ほぼ衝動的に注文した。

発注したのが金曜日の夜。月曜日に「クレジットカードの請求元情報のなかにパスコードをいれたので、それをフォームに記入してほしい」とメールが来る。正しい購入者かの確認ということなのだろう。火曜日朝にクレジットカード会社のWebサービスで確認して入力すると、注文の状態が組立中に変わる。金曜日にUPSで発送される。UPSなので土日は届かないだろうと思っていたら、今回は自動的に国内配送がヤマト運輸に切り替わっていて、日曜日に受け取った。注文から届くまでほぼ一週間だった。

Open the box

箱が大きい。でも良くできている。再利用前提の箱で、最小限の梱包材で固定する工夫がされている。中の印刷もかわいい。しかし、繰り返しになるが、箱が大きい。修理で返送するときのために保管しておく前提だと思うのだが、いまの狭い家では置き場所に困る。

かっこいい封筒にメッセージとステッカー、そして見張りロボがはいっている。

ハードウェア

小さくて軽くて薄い。金属筐体で安っぽさはない。キーボードもトラックパッドもよい感触だ。ACアダプタは小さくて携帯性がよい。もっともこの機種はUSB-PDも使えるので、私はこのアダプタを持って歩くことはないだろうと思う。

バックパネルは簡単にはずれる。ネジの数が12本あってちょっと面倒だが、まったく難しくはない。部品交換に関する公式のマニュアルがあり、メモリ・SSD・WiFi/BTモジュールなどをユーザが簡単に交換できる。メモリはオンボードに8GBで、スロットはひとつ。あらかじめ買っておいた32GBメモリを増設した。WiFi/BluetoothモジュールはIntel 9560NGWだった。WiFi6構成を選ぶと、AX200かAX201になるのだろうと思う。

MacBook Pro用に買ったAnkerのUSB-C to Ethernetアダプタはそのままで問題なく利用できた。

この機種はClevo L140CUのOEMだろうと推測していたら、バックパネルにClevo CO Code: L140CUと書いてあった。iiyamaやマウスコンピュータからも、L140CUを使っていると思われる国内向けWindowsマシンが出ている。これらの製品は当然JISキーボードだし、System76のようにオープンソースのファームウェアを使ったりはしていないだろうけれど。

起動と設定

私はPop!_OSプリインストール版を選択した(Ubuntuも選択できる。Windowsプリインストール版は当然ない)。Pop!_OSはUbuntuをベースにしたSystem76独自ディストリビューションだ。デフォルトの状態では画面上に表示されているものが少なくてすっきりしている。キーボードショートカットは独自で、たとえばターミナル起動のショートカットはSuper + Tだ。また、macOSのFileVaultのようにディスク全体を暗号化するモードがある。

最初の起動からの設定はウィザードに従うだけで楽々だった。起動後、設定画面から日本語のInput Methodを追加する。Pop! StoreからGNOME Tweakをインストールし、capsとctrl・altとsuperを交換する設定をする。ここまで全部GUIだけでできる。いまどきのLinuxデスクトップはいろいろと楽だとあらためて思う。

基本的にはソフトウェア開発に集中するためのマシンとして使うことにしたので、さらに開発用の環境も整備した。それについては別途ブログ記事を書く。

まとめ

OEM用ハードウェアを使ったノートPCにたいしては「価格性能比は良いかもしれないけれど野暮ったい」という先入観を持っていた。Lemur Proはその先入観からおおきく外れている。金属筐体で薄くてコンパクトで、キーボードも悪くない。このサイズに収まるのは、M.2のSSDや無線のモジュールが汎用部品として普及したことも大きいのだろう。

ずいぶん前からなんとなくLinuxマシンがほしいと思っていたが、機種選びに悩んで結局踏み切れなかった。デスクトップを自分で組むことも考えたが、今の部屋の置き場所を考えてやめていた。1kg・14インチ・そしてLinuxプレインストール、という情報をたまたまみつけて、用途をあまり考えずに飛びついてしまった。

設定して少しつかってみて、集中してコードを書く用途に特化して使おうと今は思っている。SNSの設定は基本的には行わず、メールの設定も最低限だけしておく。カレンダーの通知もしない。この程度で、気の散りやすい私にどの程度効果があるのかはわからないが。開発環境としてのMacBook Proには全く不満はないのだけれども、Macは「生活環境」でもあるのでどうしても気が散るのだ。