iBooks AuthorはEPUBオーサリングツールではない
Appleから電子書籍を作れるアプリ iBooks Author がでました。
作った電書をibooks フォーマットという初耳のファイルに出力して中を眺めると、だいぶEPUBぽい。ということは、これはEPUBのオーサリングツールなんでしょうか? ibooksファイルとEPUBをざっくり比べてみました。
EPUBと同じところ
- zipアーカイブである
- mimetypeという名前のファイルがある
- OEBPSで定義されたMETA-INF/container.xmlがある
- opf2.0のファイルがある
- ナビゲーション用にncxファイルがある
- コンテンツは基本的にxhtmlである
EPUBと違うところ
- 拡張子がちがう
- mimetypeの中身が違う。EPUBでは"application/epub+zip"、ibooksフォーマットでは"application/x-ibooks+zip"
- opfのmanifestにapplication/x-ibooks+linehintsとかimage/x-thumb-jpegなんてmediatypeをもつitemがある(EPUBではmediatypeを限定していないので「違う」というのは正確ではないですが)
- cssに-ibooks-というプレフィクスがついたものがある
違うフォーマットだよね
拡張子が.epubじゃない上に、中のmimetypeがapplication/epub+zipじゃない。これは"ibooksフォーマットはEPUBじゃないよ"という意志の現れだとかんじました。これは拡張されたEPUBではなく、よく似ているけど全く別のフォーマットだと私は捉えました。
EPUBオーサリングツールじゃない
つまり「iBooks AuthorはiPad iBooks専用電子書籍のオーサリングツール」なのであって、「変な拡張をしたEPUBを吐き出す困ったツール」ではないのだと思います。
もうちょっと乱暴に「電子書籍アプリの簡単作成ツール」といってしまってもよいのじゃないかなあ。