大胆なモデル化: ピクト図解
2月は全くブログ更新しませんでした。今月からはこころをいれかえたりするかと思ったら大間違いだぞ!
さて。ここ1年ほど、働き方について中二のようにうじうじ考えてきました(中二に失礼か)。結論なんて出ていないのですが、いちばんの懸案だった「金のためだけに働きたくない」という問題にたいしては「利益は目的じゃないけど、ビジネスの必要条件」というドラッカーの言葉がとりあえずの回答なんだろうな、と思っています。
というわけで『ビジネスモデルを見える化する ピクト図解』という本を読みました。本書で言う「ピクト図解」とは「人と会社と、モノと金の流れだけを書いた絵」です。この4要素以外はなし。ビジネスの上では商品の特徴やらターゲッティングやらブランディング戦略やらなんやらの話も重要なんだろうと思いますが、どうやって稼いでいるか、ようはどっから金を得ているか「のみ」にフォーカスするシンプルな、ある意味身も蓋もない方法。
この大胆なモデル化にしびれました。わたしは「利益は目的じゃないよねー」なんてうじうじ考えてたくらいなので、ここまで割り切るなんて発想は逆さにふってもできません。もちろん、この単純化で見落とすことはたくさんあるでしょうが、目的が「ビジネスモデル = 金の稼ぎ方を俯瞰する」ことなのでOKなんです。
たとえば普通のMP3プレーヤは、MP3プレーヤを消費者にわたして、お金を受け取るモデルだけれども、iPodのモデルはiPodとお金、iTunesStoreの音楽とお金、映像とお金、iPhoneアプリとお金を消費者と交換。こういったことを、本書の「ピクト図解」の手法に従って図にすると -- といっても、人・会社お金の矢印・モノの矢印を書くだけですが -- ひとめで概要が把握できます。
(本書には書いてませんがiPodの場合、この他にアクセサリのライセンス料をとるという流れもありますね)。
実際のビジネスに役だつかどうかは知りませんが、ひとつあたらしい思考のツールを手に入れた感覚です。
著者がコンサルタントとして体験した事例がもうちょっとあれば面白いのに、というくらいが不満でしょうか。あ、あと「ピクト図解」って名前もあんまり好きじゃないです。だってこの図、まったくピクトっぽくないですから。