Kindle 「国際無線バージョン」: Amazonの本気度
日本時間 10月7日に「Amazon Kindleが日本でも発売!」との報に接して右往左往したみなさん、おはようございます。あるいは、こんにちは。または、こんばんは。あなたは私の仲間です。もちろん、即日注文しましたよね?
仲間であるところのあなたには説明するまでもないと思いますが、KindleはAmazon.comが販売する電子書籍端末です。電子ペーパディスプレイを搭載し、3G回線経由でどこでも本をダウンロードできます。電子書籍は、当然Amazon.comで販売。PC経由でPDFや、Kindle用フォーマットの書籍データを取り込んで読むこともできます。
この"Kindle"に、"US & International wireless"バージョンが加わった、というのが今回のニュースです。日本でも発売、ではなく、日本からも購入できるバージョンが加わった、ということですね。今の時点で分かっていることを、自分で確認するために列挙してみます。
- 販売するのは、米国のAmazon.com。コンテンツ販売も、Amazon.com。いまのところ、Amazon.co.jpは無関係です。
- 100ヶ国で無線が使えます。販売対象国はもっと多い。
- 無線契約や無線のための追加料金は不要。本体価格と、コンテンツ代に含まれます。
- 米国のユーザが国外で無線で本をダウンロードすると、一冊につき1.99ドル課金されます(米国外のユーザは対象外)。
- 汎用Webブラウザ搭載。ただし米国外でブラウザが使えるのは、香港、メキシコ、そして日本の3ヶ国のみ。
- 日本語は(おそらく)表示できません。入力もできません。
- 日本の新聞報道によれば、日本語版の投入時期や日本語コンテンツの投入時期については「全くの」未定。
最初の興奮が冷めると、いくつかの疑問点がやってきました。
まずは、書籍の権利問題。英語書籍のみとはいえ、100ヶ国での権利関係をどうやってクリアしたんだろう。
もっと不思議なのは、無線の問題。米国内でKindleは、AT&Tの回線を使っているそうです。そして今回の100ヶ国では、"AT&Tのローミングパートナー"の回線が使えるそうです。ローミングなのに、ユーザが追加料金を払う必要なし。本体の代金がわずかに上乗せになっているだけ。
どうなっているんだ。Amazonがこのコストかぶってるのか。書籍の権利もそうだけど、個別に100ヶ国となんか交渉とかしたのか。Amazon気合い入りすぎてるのではないのか。
ローミングなので、ほとんどの国でWebブラウザが使えないのは理解できます。むしろ理解できないのは、日本を含む3ヶ国で、Webブラウザが使えること。何やったんだAmazon!
このあたりの事実をならべてみると、Amazon相当本気だな、と思えます。
その一方で端末の仕様をみると、米国版に対して単に国際無線機能を搭載しただけ。日本語などインストラクションはもちろんないし、表示すらできないと思われます。インフラ関係への気合いと落差がありすぎです。この端末では、少なくとも日本ではほとんど売れないでしょう。
まずはインフラ整えて、(わたしのような)一部の物好きに先行してつかわせ、様子をみながら各国版(もしくは国際版)のソフトウェア・ハードウェアを提供しようとしているのかな。
書籍の権利のはなしとか、無線のローミングのはなしとか、詳しい方の見解がききたいです。そのうち各種メディアに出てくるかな。
そして、毎日新聞が英文コンテンツの提供をはじめるそうですね。見切り発車っぽい空気ですが、なんにせよ素早い対応だ。
参考文献じゃなくてブログ:
http://blogkindle.com/の、"International release of Kindle 2! "という記事。たいへんよくまとまっていて、ありがたい限りです。