崖の上のポニョ観てきた
ひきこもりでどこにもいかない夏休みも最終日、朝はやい時間からやっているという理由で、やっと「ポニョ」を観てきました。この歳の男がひとりで朝からポニョかよ、とかいわないように。
「崖の上のポニョ」賛否両論ですが、なんだかわたしは観なきゃいけない映画な気がする、と思って、映画評はなるべく触れないようにしてきました。ようやく観たのでこれでひとの映画評も読める。
以下、いろいろ書きますので未見の方はご注意。
大変楽しめました。テレビCMでやっていた、魚の上をポニョが走るシーンは思っていたのと全然違うシチュエーションで、スピーディーなよい絵でした。ポニョの魚のようで魚でない動きも楽しいし。魚なのにハム好きだし。
話は途中から、どう考えても大災害。しかし大災害っぽい切迫感がありません。避難民のはずなのに優雅な船遊びをしているかのような街のひとたち。この災害を引き起こした原因を考えるとアレなのに、ほのぼのしたハッピーエンドってのもすばらしい。現代の日本が舞台だと思いますが、リアリティ皆無のおとぎ話です(いい意味で)。
「どうしても観なきゃいけない」かどうかはともかく、よい映画でしたよ。
というかこれ映画なのか。絵本みたいなんですよね。そうか絵本なのかな。シンプルなストーリーにかわいい絵がのった絵本なのかもしれません。うごくけど、1回みるのに1800円払うけど、でも絵本。絵本のなかでも、話を語るためじゃなくて、絵を見せるための絵本です。一番重要なのは絵(とその動き)。他は二の次。ストーリーも絵のためにつくられているかのようです。
そういえば、絵柄が絵本ぽいです。これまで観たことがある宮崎駿の映画のなかでは、いちばん素朴な絵のように思います。
ポニョのおなかとかワンストロークで描いてるように見えます。水の中からひとの顔をみると、目が点々。ポニョの妹たちの顔なんてもうなんだあれは! ポニョの父・母の造形もあんまりにもあんまりで笑ってしまいます。
話や設定は、画面から見えてくる限りではかなり大雑把です。ポニョの父が設定を裏づけにしていそうな難しいことばをときどき口走りますが、ちゃんと設定考えてるかどうかは怪しいです。別にそんなことはどうでもいいんですが。
見終わったので、批判しているひとたちの意見もざっと眺めてみましたが、私にはぴんとくるものがありませんでした。
宮崎駿だからもっと深いのを期待、というひともいれば、雑なお話がお気に召さない方もいるようです。親の行動が、親として許せない、というひともいますね。いずれにしても、普通の映画ととらえると、確かに不満かもしれないなー。
同じネタで、確かにもっと「厚み」がある作品をつくることもできるだろうと思いますが、それはきっと「ポニョ」が目指したところじゃないんだろうと思います。もしかすると、「ポニョ」はそもそも何も目指していないのかもしれません。
おわり。
そうそう、元ネタが人魚姫だというのはうっかり事前に知ってしまったのですが、人魚姫のことはかすかに痕跡があるだけですね。泡になっちゃう、とか。