構造化レシピとその用途
だいぶ前からちょっと気になっていることのひとつに、料理レシピの構造化がある。過去に構造化の試みはいくつもあるようなのだけれども、普及している様子はない。レシピというのはラフな設計メモで臨機応変に変えるべき、という側面もあるので、実は見た目ほど構造化に向いていないのかもしれない。それでも、原材料と分量・手順・使う道具・手順が並行に実行可能か、など構造化が可能そうな要素はたくさんある。最近また調べなおした結果、今ならSchema.orgのRecipeが一番使いやすいのかもしれないなと思った。
構造化のデファクトスタンダードができてそれに従ったレシピが多く存在するようになったとして、ではそれをどのように応用するのか、というと実は難しいかもしれない。冷蔵庫にある材料からレシピを提案するというのであれば実用的だけれども、それはレシピ全体を構造化する必要はなくて、原材料のリストさえあれば良い。
だいぶ前に、PalmOS向けにインテリジェントなクッキングタイマーを作ろうと考えてみたことがある。途中まで試作もしてみたのだけれども、普通に作るとどうしても「人間に指示して料理を作らせるマシーン」が出来上がってしまうことに気付いてやめたのだった。キッチンタイマーに限らず、構造化レシピに従って料理を自動化しようとするとどうしても、人間はその自動化の手下になりがちだ。
では調理自体をロボットが…と考えると、それはもうレシピというよりは、調理ロボット駆動用のドメイン特化プログラミング言語が必要ということになりそうだ。
レシピの構造化、人間が楽しんで調理する前提だと、そもそも不要なのかもしれない。