「わからない」という方法
『「わからない」という方法』(橋本治)を読みました。
方法なんか書かれていません。でも視点の転換を迫る本です。Amazonの書評では「くどい」って書かれてますが、本書のなかで当の著者がこう書いています:
そしてしかし、「くどい」と怒られて私はキョトンとする。「私は"頭の悪い人"を読者として想定しているのに、なんでそんなに頭のいい人がわざわざ俺の本なんか読むのだろう?」と思うからである。べつに皮肉でもなんでもない。小学生には「小学生のための本」が必要で、大人がそれを読んで「自分向きじゃない」と言うのは、単なる理不尽だということである。
この本にはいろんなことがくどくくどく、書かれていますが、私がこの本で大事と思ったことは次の2点です。
- 二十世紀は「理解」の時代。どこかに「正解」があると信じられていた。今やどこにも「正解」がないことが了解されつつある
- 「わからない」をスタートにすると「わかる」がゴールになる。「わかる」からスタートしてはどこにもいきつけない。