「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い   禁じられた数字〈下〉 (光文社新書)
『食い逃げされてもバイトを雇うな』と同じ著者が書いた『「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い』を読みました。少々あざといタイトルですが、なかなか面白く読めました。
同じ著者のベストセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 』は、会計的知識がないわたしにとっては会計の入り口が分かるという意味で面白い本でしたが、類書はいくらでもありそうです。
この本は、基本的に会計的信仰を攻撃するもので、そこがユニークなのではないでしょうか(この本でいうところの「会計的」とは、ふつうにいう会計よりも意味がひろく、合理的とほぼ同じ意味です)。
展開される主張は、計画や効率化は大事だけれども、それは問題の半分でしかないんだよ、という、いわれてみれば当たり前ことです。しかしふつうに会社勤めしているとここまで明確に「問題の半分でしかない」というふうに認識するのは難しいです。活字も大きめで実に軽く読めますが、わたしには得るところがありました。
前著の「食い逃げされてもバイトは雇うな」(タイトルだけで中身が想像できたのでわたしは興味を持ちませんでした)は、おそらく会計的な考え方を説明していて、本書ではでも会計だけではではだめなんだよ、と説明する流れなのだろうと推測します。わたしは会計の知識はないものの、どちらかというと「会計的」な考え方をするほうなので、前著を読まずにこれを読んで正解だったかと思います。