仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)『仕事するのにオフィスはいらない 』(佐々木俊尚 )を読みました。
これからの時代に必要になっていくであろう新しい働き方「ノマドワーキング」とは何かを説き、そのための考え方、テクニック、そして特に、現在のテクノロジ(モバイルデバイス、常時接続、「クラウド」)を道具として使う方法をガイドする本、です。
当然ですが、「頭脳労働者」向けです。情報を取り込み、情報をアウトプットするのが仕事のひと。物理的なモノづくりをするひとには場所が必要ですし、「クラウド」に道具を置くこともできませんからね。
「頭脳労働」に該当するのであれば、普通のサラリーマン労働者にもおすすめ。特に今の仕事のやりかたに、漠然とでも疑問をもっているひとには、染みこむ、かもしれません。
ところで、この本にかかれる「クラウド」の使い方から、わたしはPalmのことを思い出しました。
本書でいう「クラウド」は、ネットワークの向うがわにサービスやデータがあることをいっています(GmailとかGoogle DocとかRemember The Milkとか)。端末と接続手段さえあれば、同じ情報にどこからでもPCからでもiPhoneからでも、アクセスでき、そして更新されれば(当然ながら) それもどこからでも見える。
これって、かつてPalmが目指した方向を、より洗練されたやり方で解決してるのだよな、と思います。かつてのPalmは、PC上にあるデータをPalmと"Sync"する、という発想で考えられていました。PC上のものをポータブルに持ち歩き、どっちで変更しても大丈夫にするために。
「クラウド」を使ったやりかたは、この目標を、ずっとスマートに解決して、そしてより高いレベルまでいっているのだなあ。日本語版のPalm初代はわずか10年前ですが、この世界ずいぶん進歩しました。