見た目で人を判断しないのは愚か者である。とオスカー・ワイルドがいっています。ワイルドは「善くあるよりも、見目好いほうがよりよい」というようなこともいっていましたね。
人は見た目が9割先日本屋さんをうろうろしていてみつけた『人は見た目が9割』という本をひとめみたとき、上に引用したワイルドの警句がすぐに思い浮かびました。
小学校あたりでは「人を見た目で判断してはいけません」と教育されたように思います。だから、それに真っ向から反対する、こういう言明には注意をひかれます。ワイルドの警句も、この本の題名も、ひとの注意を惹く効果を狙っているように思います。
でまんまと罠にはまってこの本買って読んでみました。
残念ながら、期待したほどの本じゃありませんでした。
この本でいう「見た目」とは「非言語コミュニケーション」のことでした。
ひとは誰かの印象を判断するときに言葉以外の部分に注意をけっこう払っているんだよ、っていうある意味当たり前の話(同じ台詞でも、違うひとがいうと違う印象のことがありますよね? そのレベルの話)を核にして、掘り下げるわけでも一定の見解を提示するでもなく、その話題の周辺をぐるぐる回って話が発散してました。
ひとつひとつの章は実際の研究データをひいていて具体的な数字も出ているので(たとえば言語以外の部分で9割判断している、とか)興味深いんですが、紹介しっぱなし、掘り下げもされていなければ、各章の話題が関連づけられてもおらず、印象が薄いです。
これがたとえば新聞連載のコラムとかだったら超おもしれー、って読むとおもうんですが、一冊の本にまとめるにはゆるい感じですね。
実はだいぶ前に読んだ本なんですが、今日寄った本屋さんで目立つところに平積みになってました。題名のキャッチーさ重要なんだなぁ。