そろそろAmazonのKindle国際版も出荷される時期です。はやく届かないかな、楽しみです。
さて、電子書籍の話題が出ると、紙の書籍のことがほぼ必ずセットで話題になります。「紙の本はどうなるのだ?」「オレ紙の本が好き」「紙の一覧性・携帯性・視認性等々の特徴に今の電子書籍はまだ勝てない」「紙なんて検索できないじゃん本は重いじゃん電子データ最強」「手持ちの本は裁断してスキャンしちゃうもんね」「図書館なんていらないインターネットがあるじゃん」等々、いろんな立場からいろんな話題が出てきます。
私の立場は、2年ちょっと前にかいたように「紙の本はモノとして好き。だけど本の電子化は否応なくすすんでいくんだろうなあ」というものです。そしてその時点で既に、知り合いで本をスキャンしまくってるひとがいることを知りました。
今はどうでしょう。やはり、電子書籍に抵抗があるひとは多いです。その一方で、こんなひともいます。
何故私は狂った猿のように1000万円分の書籍を切り刻んだのか - やねうらお−よっちゃんイカを食べながら年収1億円稼げる(かも知れない)仕事術

ともかく、pdf化されている書籍のほうが、価値があるのだという錯覚が芽生え始めると、今度は、手にとりたい書籍が本棚に存在することに激しい苛立ちを感じはじめる。何故この本はパソコンのなかにないのだ?パソコンのなかにあればキーワード検索ですぐ出てくるのに!椅子から動かずに取りにいけるのに!2秒で出てくるのに!重たくないのに!読みやすいのに!何故本棚なんかに入れてあるんだ?本棚なんていらないのに!本棚なんて邪魔なだけなのに!

わたしは、本に愛着ありすぎて切り刻むことはとてもできない、だからこの真似はできません。しかし、この気持ちはよく分かります。
デジタル化欲というやつですね。わたしには確実にデジタル化欲がありますし、そういう人は少なくないと思います。
音楽をデジタル化するiTunesも、写真をデジタル化するデジタルカメラも(デジタルカメラの前はフィルムスキャナも)、それらを全てストアできるハードディスクも、私には福音でした。銀行の通帳やらクレジットカードの明細やらも、可能な限り電子版に切り替えています。だっていくらでも格納できて、検索すればすぐにあらわれて、そして紛失することがない(紛失するときは全部まとめて紛失するのですが)のです。未だに紙が必要な場面ではちょっとがっかりします。役所の書類とかね。
しかし本は、インフラ的に、まだここまで電子化できる域に達していません。いや、前掲の、やねうらおさんのように、意志があればできないことはないのですが。
アメリカの技術書では、電子書籍と紙書籍のセット販売というのがじわじわ出てきていて、たとえば以前に書いたPragmatic Bookshelfがあります。Manningのように紙書籍を買うと、電子書籍も入手できる出版社もあります。他にもあるかもしれません。
電子版・紙版のセット販売は、電子書籍普及の過程で日本でもそれなりに出てくるといいなー。と思っています。Kindle届いたら、とりあえずは手持ちのPragmatic Bookshelf本をかたっぱしから入れて読んでみようと思っています。
論点がはっきりしなくてぐだぐだですみませんが、今日のところはこれで勘弁してください。
ところで、こんな記事がありましたが
ボストンの学校が図書館をデジタル化、書を捨て電子ブックリーダーに移行
これは、現時点ではやりすぎだと思っています。インフラが追いついていないのだから。