シングルモルト余市1988を飲んできた
「シングルモルト余市1988」はその名前のとおり、ニッカの余市蒸留所で1988年に仕込まれたモルト原酒だけでつくられたウィスキーで、11月26日に限定3500本発売予定です。
そのウィスキーを販売開始に先立って、(なぜかブログを書いているひとに限定して)試飲させるイベントが11月18日にあり、参加してきました。イベント詳細はこちら。
表参道のニッカウヰスキー本社の1F受付にいくとブログ名が書かれた(!)名札を渡されます。恥ずかしいなこれ。そして5F会議室へ。
会議室にはシングルモルト余市12年およびシングルモルト余市1988が注がれたテイスティンググラスと、ちょっとしたつまみ、そしてミネラルウォーターの瓶が各席に用意されています。
テイスティングのイベントはビデオ上映・チーフブレンダーの説明・そしてテイスティング、とすすみます。詳しいひとには常識なのかもしれませんが、わたしには新鮮だったことを列記。
- サントリーの山崎蒸留所も、ニッカ創業者の竹鶴政孝氏がつくった
- 竹鶴氏はスコットランドに留学してウィスキーづくりを学んでいた
- 竹鶴氏の奥さんはそのとき知り合ったイギリス人!
- ニッカの社名由来は「大日本果汁」の「日」「果」
- ウィスキーは少し加水することで香りが「花開く」ようになる
- モルト同士を混ぜるのはブレンドとはいわず、「バッティング」という。
まずは余市12年でテイスティングの練習をしてから、メインイベントの余市1988。これが全然違って、12年もいいんですが1988は圧倒的によい。アルコール度数は高いはずなんですが、とにかく飲みやすい。香りがすばらしいんですよね。チョコレートがよく合います。
テイスティングが終わると質問を受け付けてから、地下の「ブレンダーズ・バー」にて懇親会。まずはシングルモルト余市ノンエイジのハイボールで乾杯です。余市と宮城峡のシングルモルト5,10,15,20年が飲み放題という太っ腹な懇親会です。チーフブレンダーをはじめ、ニッカ・アサヒビールの社員の方もいて、話をいろいろ聞けました。
おみやげも太っ腹で、創業者竹鶴政孝氏の伝記「ヒゲのウヰスキー誕生す」(すでに絶版)と、シングルモルト余市ノンエイジ500mlをいただきました。無料イベントなのに。
そのうえ、この「ヒゲのウヰスキー誕生す」がめっぽう面白いのです。竹鶴氏の人生・人物が普通じゃないんです。
洋酒を学ぶために無理をいって日本の酒造会社に入社し、縁があってスコットランドに留学し、そしてなんとか蒸留所の実習にこぎつけて直接ウィスキーづくりを学び、イギリス人と結婚して連れて帰り、しかし派遣元の会社ではウイスキーがつくれず、サントリー(寿屋)に請われて山崎の蒸留所をつくり、しかしなかなか金にならないウィスキーは風当たりが強く...。
これ映画にするといいんじゃないか。
わたしは、ウイスキーといえばバーボンかテネシーウイスキーで、スコッチや国産ウイスキーはあまり好きじゃなかったのですが、これ読むとスコッチやニッカを飲みたくなり、今もいただいたシングルモルト余市をちびちび飲んでいます。
そして、宮城の蒸留所はいったことあるんですが、余市にもいってみたくなりました。