父のこと(1)
父が、先週末に亡くなりました。
数年前からそれほど調子がよくなくて、時々入院していました。今回の入院は、一ヶ月ほど前でした。
でも、それほど深刻だとは、思っていませんでした。父は入院の合間に、母と一緒に、たびたび海外旅行にいっていました。わたしと会うことがあれば、お酒を飲んで食事もしていました。お酒の量も減っていたし、体力もだいぶ落ちてはいたけれど。
私はここしばらくは一緒に食事は出来ていなかったけれども、元気になったらまたいつでも会って、お酒飲んだり食事したりできるとおもっていました。でも忙しいのを言い訳に、ほとんど実家にいっていませんでした。
そうしたら、今回の入院で、どんどん調子が悪くなって、そうして亡くなってしまいました。
最後のときには、母も姉もわたしも居合わせることができました。最後の2週間は、意識はときどき曖昧だけれども、ときどきははっきりして、そのはっきりしているときも、苦しくはなかったようです。
ひとは必ず死にます。だからこそ死に方は大事で、苦痛がなく平和であることが、とてもとてもとても大事だと、私は思っています。父本人の立場で考えると、その面では悪くなかったのではないかと思うし、そうであることを切望しています。最後だけでなく、人生を振り返って、おおむねよい人生だったのではないかと思うし、父本人がそう思っていたことを、ほんとうにほんとうに、強く祈ります。
いま父のことをあらためて思い返してみて、ほんとうに父のことで知らないことが多いことに、改めて気づきます。
父が亡くなって、ああしておけばよかった、と後悔することはいろいろありますが、最も強く思うのは、もっともっと話しておけばよかった、ということです。ビールを飲みながらでも。
つづきます。