azuki in a Tote

あずきが亡くなってからきょうで一年になる。心筋症と診断されてから半年弱の間はとくに症状が無かったのが、急変して肺水腫をおこした。3日間の短い闘病だった。5歳10ヶ月だった。

あずきへの追悼として、今日は何かを書いておきたかった。しばらく考えて、猫の心筋症とそれにたいして人間ができたこと、について書くことにした。獣医でもなんでもない素人であるわたしが、自分の見聞きし経験した範囲だけで書くので、不十分で不正確にはなるだろう。それでもすこしは、猫と暮らしている誰かの役に立つのではないかと期待して書く。

猫の心筋症

拘束型と肥大型、そして拡張型があり、どれも予後に大きな差はないとのことだ。猫種によってかかりやすい心筋症もあると聞いている。初期はたいてい無症状だ。あずきは健康診断で心雑音があることから心筋症が分かったが、かならず心雑音があるわけではなく、だから初期には発見されにくいのだそうだ。そして発見されたとしても、対症療法しかできることはない。

早期発見して治療していてもあずきのように急変するケースもあれば、数年無症状のこともある。こういうのはもう、運であり、運命なのだと思う。健康診断とワクチンを欠かさず、なにかおかしなことがあれば獣医に診せるという基本を守るくらいが、まず人間ができることだろう。あずきは急変したとはいえ、それまでに血栓などの症状がでなかったのは、専門医に見せて治療していたからかもしれない。本当のところはわからないけれど。

酸素ケージ

たいていの猫は病院が嫌いで、家が好きだ。あずきの短い闘病の後半は家で一緒に過ごすことができた。それは幸運と、そしてレンタルした酸素ケージのおかげだ。心筋症に限らず、酸素ケージさえあれば家で過ごせるケースは多いだろう。

借りたのはterucomの、中型ケージプラン。最初は小型を選んだが、中型に変更してよかった。

申し込んだ翌日に持ってきてくれたが、タイミングや地域によっても色々あるだろう。もし必要な可能性があったら早めにおさえたほうがよいと思う。うちではケージのことを思いつくのが遅く、結果ギリギリのタイミングだった。オプションの酸素濃度計は絶対にあったほうがよい。わたしは設置サービスも頼んだ。時間にも気持ちにもまったく余裕がなく、設置してもらったことでかなり助かった。

全面アクリルで透明なので、猫は部屋の中が見えて、人間もどこからでも猫の様子が確認できる。

酸素ケージのあずき

病院でぐったりしていて、もってもあと数時間かと連れ帰ったあずきは、家に帰ってきたら目に力が戻った。辛そうなときもあったけれどリラックスして甘えたり、全然食事できなかったのにちゅーるをたくさん食べたり、結果29時間も頑張ってくれた。

人間にできること

ほかに、あずきのためになにができただろうかと今も時々考える。

心筋症を早期発見できたが急変したという観点では不運だったのかもしれない。しかしそれはあずきの運命だったんだとも思っている。その運命のなかで、あずきを病院から家に連れ帰り、最後の30時間近くをずっと一緒にいられたのは、ただただ幸運だったと思う。

それでも、もっとはやく連れ帰れたのではとも思う。途中で食欲がすこしだけ戻り、もしかして持ち直すのではと往診を頼んだのは余計だったなとも思う。動物を看取るときはどうしても、なんらかの後悔はすることになるんだろう。人間はその場で手持ちの材料だけで、なにが最良か考えて判断をするしかない。後悔を確実に避けることはできない。

あずきをもっとはやく連れ帰る決断は無理だったし、持ち直すかもという時に提案された往診を断る判断も無理だった。結果的にあずきには申し訳なかったが、それでもわたしたちにはこれができる限界だった。

でも、あらかじめやっておけたはずだと後で気づいたことがふたつある。ひとつは、24時間診療の獣医を普段から把握しておくこと。うちは幸い近所にたまたまあったのだが、事前に把握はしていなかった。もうひとつは、ペット保険。お金を出せば良くなる可能性があれば、出せる限りは出したい。ペット保険は「出せる限り」の限界を引き上げてくれる。あずきは、出せる限りの限界よりずっと手前で、向こう側に行ってしまったのだが。

あずきとささげ

あずきがいてくれた5年半はとても濃密だった。ありがとう。ささげも元気にやっているし、ちっこいのも二匹やってきたよ。二匹をあずきに会わせたかったし、会ったところをみたかったな。