文庫本大好きです。
でも、文庫本じゃない本も大好きです。ちょっと気をつかった装丁の本を手に取ると、嬉しくなります。絵本はたいてい装丁がいい感じですが、小説はおざなりなものが多いように思います。
手元にある本から、モノとして好きな本を三冊選んでみました。
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このなかで、「大事なことはみーんな猫に教わった」は、なんと文庫本になってしまっています。上の写真でわかるとおり横長の本で、中身は
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こんななんですよ。文庫本はまだ確認していませんが、正直いって文庫化は暴挙だと思います。
「麦撃機の飛ぶ空」は、わたしのもっとも愛するSF作家、神林長平の初期短編をあつめた本です。この本は内容もいいのですが、それより造本がよいのです。以下それをごらんください。
麦撃機の飛ぶ空
小さい判型の本なのに、ちゃんと紙ケースにはいっているのです
麦撃機の飛ぶ空
余裕をもって活字が配置された、うつくしい紙面
わたしはこの本についてはアマゾンのカスタマーレビューを書きました(「こじま」で書かれたレビューです)。あんまりにも本の作りが気に入ったので、内容にふれるのがいい加減になっています。
「永遠も半ばを過ぎて」も、装丁がきっちりしています。作中に「永遠も半ばを過ぎて」という小説が出てきて、その造本についても語られるのですが(これがわたしのような素人には参考になります)、作中どおりのつくりになっていると思われます。これも残念ながら文庫になってしまっていますが...。
これからの本はどんどん電子化されていくでしょう。それは避けがたい流れだと思いますし、わたしもある意味では歓迎します。いまはコンピュータで本を読むのはめんどくさいですが、それもだんだん簡単になっていくでしょう。
そうなってくると、「モノ」としての本は、その作り、造本がますます重要になってくると思います。
造本を重視してつくられた本は、安易に判型を変えないで欲しいなあと思ったりします。いまあげた本だと、特に「大事なことはみーんな猫に教わった」が、文庫になってしまってとても悲しいです。原書のAll I Need to Know I Learned from My Catは、元の判型のままのようです。